リッケン改造譚

このページはリッケンバッカー 4001 V63CS の改造・調整の記録です。はっきり言ってリッケンユーザ&マニア以外には何の事やらさっぱり分らんページです。ご了承ください (注)リッケンユーザの方へ:このページを参考にして改造した結果、失敗しても当方は責任をもてません。

ストラップピンのシャーラーピンへの改造

現行標準モデルであるところの4003がどういう使用かイマイチ判然としないのだが、私の所有している4001V63は一応1963年当時と同様の製作過程でビルドアップされているという事になっている(ホースシューピックアップの「ホースシュー部分」はダミーに変更され、ネック裏にボリュートがある点は異なる。もちろん材も最近のものだ)。従って、以下に述べるストラップピン改造が現行モデルにも適用できるか疑問が残るが、一応の参考としてお読みいただきたい。

私はリッケンのオリジナルストラップ(あの細くて、弾いていると肩当てが必ずお腹あたりまでずり落ちる)を使用しているのだが、このストラップ、安定性においては甚だ怪しい。演奏中にジャンプでもしようものなら(しないけど)ピンがすっぽ抜けて楽器が自然落下すること請け合い。以前よりこの点を何とか改善せんとして熟考をめぐらすも糸口をつかめずにおったのですが、やはりシャーラーシステムを導入しようと思い立ちました。できるだけオリジナル部品を保っていたかったのですが、背に腹は代えられないので。

さっそく楽器屋でシャーラーストラップピンシステムを購入してきた。ご存知かとは思うが、このシステムは楽器本体に装着する内ピンと、ストラップ側に装着する外ピンの二つの部分が一組になっている。ボディについた内ピンがストラップの外ピンに滑り込みかっちりロックされることでストラップのすっぽ抜けを排除する機構だ。内ピンを装着するには、まずボディについているオリジナルのピンを抜く必要がある。

通常、ギター・ベースのストラップピンは竹輪型(ドーナツ型?)になっており、木ネジで本体に固定されているが、不思議なことにリッケンのピンには穴がない。なんとそれ自体が巨大なネジなのだ。しかもペンチで回してコレを抜いてみて判明したのだが、これは木ネジではない。木ネジは通常先が尖っている。先端が材をくり貫きながらしっかり固定される仕組みなのだが、リッケンのストラップピンは先端が平べったい! ネジが切ってある部分の太さが端から端までコンスタントに7mm以上ある。一体これをどうやって取り付けたのか、おそらく以下の工程を経ているに違いない。まずドリルで本体に直径5.5mm位の穴を予めあける。穴の深さはピンのネジ部分より少し深めに。穴をあけて後、ピンを工具でねじ込む。なんてバカで凝った工程、さすがリッケン。このことが判明した時点で私はすでに泣きそうになった。表面塗装をはがさないようにこんな大きな穴をあけること自体リスクを背負っているはずなのに…

まあ、いいさ。とにかくシャーラーを取り付けよう… ガァ~ン!!! なんと、シャーラーのネジは直径が3mm程しかない。よって7mmの穴には当然のごとくガパパガパでネジ止めどころではなかったのである!

しかたなくオリジナルピンを再度取り付ける。リッケンの職人魂に負けたことと無駄な出費をしたショックで、私は複雑で空虚な気持ちになっていた。と、その時、天啓にも似た気持が私を襲った。そしてシャーラーの外ピンをなんとはなしにリッケンのピンにかぶせてみた時… <乱歩調>嗚呼、なんということでしょう。二つのピンは図ったかのようにぴったりと符合したのでございます。</乱歩調>一瞬の狂喜の後、考え直してみる。待て。シャーラーの外ピンが入ったとしても、シャーラーロック機能は内ピンの竹輪の穴に外ピンのばね式ロック部分が入り込むことで固定されるのに、その穴がないと外ピンがすぐにはずれるので全く意味がない。どころか、これでは普通にストラップを使用した場合よりとれやすいので、危険で論外だ。

しかーし、ここで屈してはリッケンバカがすたる。何とかならないものか。要は内ピンに適当な大きさの穴さえあければいいわけだ。旋盤か… やるっきゃない。というよりやってもらうっきゃない。電話帳をひっくり返してネジ工場を探し、大井町のS製作所なるところを発見。電話で依頼してもおそらくダメと思い、バイクを飛ばして直接工場まで行った。工場は五反田のゆうぽうと近くの坂の多い住宅街の中にあった。いわゆる町工場である。事務員の女性に訳を話して待つこと3分。出てきたS氏にオリジナルピンを渡し、ドリル加工をお願いしたい旨を申し出た。

S氏「ずいぶん加工が荒いな…」
オレ「アメリカ製なんですけど」
S氏「あー、やっぱりね」
オレ「…」
S氏「いいよ。タダでやってあげるよ」
オレ「!!!」

これだもんね。この国はマチガイなく職人が支えてます! 約2時間後、リッケンオリジナルピンは元からそうであったかのような美しい加工で、みごとシャーラーの内ピンに変身し、カッチリ止まるようになりました。メデタシ、メデタシ。

今回の改造で判明したこと: リッケンのストラップピンとブリッジについているミュートシステムの上げ下げ調整ネジは「全く同じモノ」です。驚いたなあ、モウ。経済的というか地球に優しいというか、これって車のタイヤをハンドルに使ってるようなモンですよ…

追記:リッケンのシャーラー仕様のピンが発売されているようです。なーんだ。ちょっと待ってれば買えたのに。でもオリジナルピンのシャーラー風はオレだけだろう。わははは。(むなしい自己満…)

ホースシューピックアップ(ダミー)のホースシュー部分の切除

リッケンバカの常識であるホースシューピックアップはリッケンバッカー社がまだエレクトロを名乗っていた1930年代前半の世界初のエレキギター"Frying Pan"から採用されていた馬蹄形マグネット方式のピックアップシステムです。これが「磁場の中で金属製の弦を振動させることで電流を発生させ、それをアンプで増幅し、スピーカから音を出す」という未だに主流のピックアップシステムが搭載された最初です。開発当時はこの弦を覆う馬鹿でかいホースシューが磁石だったのです。今ではポールピース自体が磁石になっていますので、ホースシューをつける意味はありません。4003においてホースシューに見えるのはピックアップカバーと訊いています。ですよね?

ところが不要なはずのホースシューが未だに取り付けられているモデルが唯一あります。それが4001V63です。ビンテージシリーズのラインアップであるこのモデルは、1963年当時のものを模倣して作られているのです。あの懐かしくも馬鹿でかい金属片が弦の上に鎮座ましましている姿は車で言えばボンネットバス、コンピュータで言えば磁気テープくらい時代錯誤なもので、それがまたうれしいのですね。

ところが、実際4001を弾いてみるとその弾きにくさは並大抵のものではありません。なにせピックアップの上が完全に覆われているので、「一番ピッキングしたいところができない」のです。当時はフラットピック奏法が主流だったのでコレで良かったのでしょうが、フィンガーピッキングにこれほど不便なベースもないのです。ワタクシとしては、オリジナル部品をそのまま残したい気持ちもありながら、この弾きにくさだけはやはりガマンができず、ついに切除を決断いたしました。

切断に際して気になったのが、この部分をちょん切ってしまうとピックアップとして成り立たないのではないか、ということ。でも、コレは大丈夫。オリジナルの4001と違い、復刻版の4001V63についているホースシュー部分は形だけのダミーなのです。磁気は帯びておらず、ちゃんと内部のポールピースが帯磁しているので、なくっても平気なのです。

さて、まずはピックアップを分解してみました。ほほー。なるほど、こうなっているんですね。どうなっているのかというとホースシュー(以下HS)の下には普通のベースギターに見られるようなシングルコイル式のピックアップユニットがあります。

問題はU字型のHSがこのユニットの台座を兼ねているということ。断面図を説明しましょう。両手の親指と人差し指でそれぞれ横U字を作って目の前で向かい合わせてください。コレをHSと考えると、ユニットは親指の内側に、大きな2本のネジで親指を貫通する形でボディに留められているのです。つまり、単にHSを取り去ってしまうとユニットの高さが親指分だけ低くなるので、ユニットが弦からムチャクチャに遠ざかってしまい、ピックアップとしては致命的に使えないな状況が発生します。

結論:二つあるU字型のHSをそれぞれ、I字型とJ字型に切断し、J字型は廃棄、I字型をピックアップユニットの台座として残す。これしかありません。

かくしてHSとの戦いが始まりました。職場の木工所に閉じこもり、万力に固定したHSを電動回転カッターで切断する作業の始まりです。ズギャー!! という轟音と火花を飛ばすこと1時間弱、HSは二つのIとJに分かれたのでございます。あとは、Iのみを本体に戻してユニットを取り付けるだけで済みました。ああ~、弾きやすい。弾き易いよ~。

追記:えー。聞くところによれば、何もホースシューを切断してまで台座にしなくても、ホースシューを取り除いた後に「割り箸を挟むだけでよい」そうです。あっはははは…。

指置き作り

フィンガーピッキング時、親指を置く場所を作りたくなった。ジャズベだと、ピックアップ自体が指置きになってくれるのだが、HSを取り囲むガクブチのような金属部分のでっぱりでは弦まで遠すぎるし、やはり自作指置きを作るしかない!

プラスチックや金属では加工が大変だろうからやはり木材で作るしかないだろう。しかし、割り箸みたいな安価でもろい材だとすぐに壊れてしまうので、東急ハンズで「ブビンガ」なるアフリカ産の木板を購入。これは私の所有しているもう一つのベースギター「ワーウィック」のボディ材として使われている、密度・硬度ともに非常に高い材だ。

まず指置きの形と位置を考えた結果、例のホースシューピックアップ廻りの金属製ガクブチの上に決定。理由は、塗装面に穴をあけると塗装がメチャクチャにはがれてしまうため。取り付ける指置きは二つ。ホースシューの前後にそれぞれ一つずつだ。曲によってピッキング位置を変える私としては必然。ガクブチの大きさに併せるためフロント指置き(?)の方がリア指置きより小さくなる。仕方がないか… 

指置きの形が全くの長方形というのも芸がない。指が当たるところは弧を描くへこんだ形に成型すべし。紙に実物大設計図を書いてから再度東急ハンズに行き、加工を依頼。

ブビンガ材の色はこげ茶色。カラー的に合わないのでシルバーのプラカラーで着色。もっと金属っぽく仕上げたかったのだが、どう見ても「木を塗りました」って感じになった。ま、いいや。

次はボディに取り付けるためのネジ穴を開ける作業。まず指置きの方に穴をあける。プロに頼めばよかったのだが、ホームセンターで買ってきたハンドドリルで無理やり加工。見栄えはスコブル悪し。ま、いいや。穴をあけた指置きをガクブチに載せて千枚通しでポンチする。木工室でドリル加工し、ガクブチごとボディに適当な深さの穴をあける。本来は木工の道具だが、ガクブチ程度の薄さの金属をぶち抜くのもさほど大変ではなかった。あとはネジで指置きを留めるだけで完成。あー指が置けて落ち着くなあ。

その後、O工房さんでネームプレートとともに作成をお願いしました。左は自作木製指置きとO工房さん製作のアクリル製の写真です。製作依頼の経緯は「ネームプレート交換」の章をご覧ください。

3弦4弦のテンション不足を解消するための弦高調節

ゆるいのです。3弦と4弦が。リペアショップに調整の依頼に来るベーシストが一番気にするのが弦のテンションだそうで、確かにベースにおける各弦のテンションの差には、ギターのそれより神経質になってしまう何かを持っている。私の4001の場合、3弦と4弦がゆるすぎて気持ち悪い。弦の種類にもよるのだろうが、私はRotoSound以外の弦を絶対に使いたくないので、このゆるさを解決するには、弦高を上げて調節するしかない。

しか~し、4001の場合、他の部品同様、ブリッジも40年以上前と同じ物をそのまま使っており、なんと、各弦バラバラに弦高を調節できないのである。弦が乗っているコマはすべて一つの枕木のような部品に取り付けられており、ブリッジ全体の両端についている2本のネジでブリッジ全体の高さを調節するしかないのである。あららー。

まず、一番ゆるいと思われる4弦のテンションがちょうど良くなるところまで枕木の4弦側ネジ(以下A)を上げる。そうするとたいてい1弦または2弦のテンションが信じられないくらい高くなるのでそれらの弦のテンションがちょうど良くなるまで1弦側の枕木(以下B)を調節する。Bの上げ下げはAにも影響するので、再度Aを調整。これを繰り返して4弦と1弦2弦の弦高がちょうど良くなるようにする。

次に必ずチューニングをする。ついでに12フレットの音と12フレットのハーモニクスに音程の差がないかチューナーで確かめる。どのくらいの差があるのかメモしておき、弦を全てはずして枕木をはずし、調整する。(ハーモニクスを高くするにはブリッジよりに、フレット音を高くするにはネックよりにコマを移動させる。

次にネックのソリがないかチェックし、あればヘッドのネームプレートをはずしてレンチで調整(注:ご存知のとおりリッケンのダブルロッドシステムはプロでもリペアマンに任せるほど繊細さが必要な事で知られている。間違ってもいきなり90度回転させたりしないように。最悪の場合ネックが割れます。)さらに上記の手順を繰り返して、ちゃんとチューンした状態で4減およびその他の弦の調節を確認する。しっかし、改めて見るとすごく分厚い指板ですね。ネック部分で厚さを測ったら9mm近くありました。なんじゃこりゃ。

これから弦のコマ(鉛化合物でできているらしい)を削って4本の弦のテンションのバランス調整を行う。削ることはできるが元に戻すことはABによる調節で再び全体を上げることしかできないので、この時点でテンションがゆるすぎる弦があってはならない。コツとして全体的にほんの少しだけテンションを高めに調節しておくことをオススメする。その上でテンションが高すぎる弦がどれか、そしてどのくらい高いのかを体感しチェックしておく。

次に弦を全てはずし、枕木を本体から取りはすし、細めの棒状ヤスリでテンションの高かった弦のコマを削る。あせって、あまり一度に削らないほうが良い。今日一日これに費やすくらいの余裕がほしい。削り終わったら再び弦を張り、チューニングして弾いてみる。チューニングが落ち着くまで多少時間がかかるのでここでコーヒーでも淹れて飲み、必要であれば再度上全前作業を繰り返し完成。

全くなんちゅう楽器でしょうか…

さて、私の楽器を上記手順で調整した結果、テンションとテンションのバランスは理想にかなり近くなったのですが、弦高がかなり高くなったため、4弦のオクターブピッチが調整の範囲内を超えてしまいました。つまり4弦のコマをブリッジ側ギリギリまで動かしてもハーモニクスのほうがフレット音より低いのです。結果、チューナーで開放弦(または5フレットおよび12フレットハーモニクス)でチューニングするとハイポジションになればなるほどフレット音が上ずってきます。4弦の8フレットCとか10フレットDのあたりはかなり悲惨で、1/4音以上シャープしているようです。ははは。苦肉の策として3弦・4弦のコマを調節ネジから抜いてひっくり返しました。写真を見ると手前の2つのコマと奥の2つのコマの向きが異なるのが分かると思います。

これ以上、ピッチのズレを解決する方法は、弦の高さを変えずに弦のテンションをあげる魔法の方法しか残されていません。魔法の方法とは「弦の裏通し」です。ブリッジの弦のボールエンドが来るあたりのボディに、ドリルで弦が通るくらいの穴を貫通させ、弦をボディの裏側から挿入して張るという正にウラワザ。この結果弦はボディから出たところで急角度で曲げられることによりテンションがあがるという論理です。これをやってくれるリペアショップもあるようですが、リッケンに関してはやってくれるかどうか… なにしろあのボディの1/5ぐらいの表面積をカバーしてしまっているあのブリッジの周りに穴をあける位置を探すのが大変なのです。

追記:今まで使っていたRotoSound(Swing Bass 66) オレンジのパッケージの通常のスチール弦から 同じ Swing Bass 66 の PureNickel 青パッケージに変えました。スチールのデーン、ビヨーン、パコーン、という音ではなく、ボーン、ドーン、ウィーンという、オールディーズな、ちょっとフラットワウンド系の音です。また、若干ですがゲージは同じでもスチールよりテンションが高くなった気がします。

弦の裏通し用穴あけ

◆ 弦のテンションを上げるため、弦のいわゆる裏通し改造を行いました。職場の木工室にあるハンドドリルをお借りしてボディに穴を開け、Guitar Works から通販で買ったストリングブッシュを取り付ける改造です。以下詳細。

◆ 作業台にベースを仰向けに置きます。固定するのが良いのでしょうが筆者は固定器具に恵まれず、ただ置いた状態で作業しました。ボディの中心線に近い部分にドリルを貫通させるので、台の中心は凹んでいるとベストです。(凹みがないと、台に穴が開きます(笑)また、ドリルが食い込んで収集が付かなくなるリスクもあります) 凹みがない台の場合は木材の台を2つ用意し、そこにギターを渡して置くと良いかもしれません。用心深い人は傷防止のために台とギターの間や、ボディの作業に必要な部分以外を布などでカバーするといいでしょう。誤ってハンドドリルをボディ上に落っことしたら「涙」です。ただ傷防止のために毛布や古タオルを使う方は要注意です。高速回転するドリルには容易に巻きつきます! 布にドリルの歯が当たらない工夫をしましょう。

◆ まず穴を開ける位置にマークをつけます。弦を全てはずし、ブリッジを真上から見ます。ブリッジのお尻側から弦を入れたとき弦が出てくる穴がありますね。この穴を通して見えているボディの部分に裏通しの穴を開けるわけです。丸い穴の中心にあたるボディ部分に細めの油性マジックでチョンととマークをしておきます。

◆ 各弦分、4つのマークを付けたらドライバでブリッジのネジをはずし、ブリッジを取り外します。ブリッジにはノイズ予防のアース線がハンダされているのでこれを切らないようにしましょう。

◆ 穴を開ける前にマークした4つの点をドリルの歯がずれないようにポンチします。細めのものを使ってください。点上にポンチをあわせ金槌で垂直に、軽くトントン叩きます。筆者は最初木工室の方から借りた自動ポンチという器具を使いました。ドライバの先がポンチになっているような形のもので、上から強く押すと「バン」と自動的に金槌なしでポンチできるというものです。安易にもこれを使ったら「バキ」という音と共に周りの塗装とラッカーが半径6mmにわたって凹みました。ぎゃ!(あとでストリングブッシュをつける9mmの穴を開ける部分なので良かったようなものの… これだから一発勝負は危ねえ;)というわけで筆者はポンチ代わりに眼鏡用の極少プラスドライバセットの内大き目のものを使ってトントングリグリとやりました。これはいい。

◆ さてポンチが終わったらいよいよ穴あけの開始です。失敗は許されませんが、何があっても焦らず落ち着いて作業を進める事が大切です。最初に2mmの刃で下穴を開けます。刃をハンドドリルに取り付けます。本番前に端材で練習しておく事をお勧めします。ある程度の回転速度と上から押し付ける力がないとうまくいかない事があるので、ドリルのスピードの調整、力の入れ具合、充分に練習してください。

◆ 本番開始です。ここでの最大のポイントは「ボディに垂直に穴を開ける」です。ボール盤ではなくハンドドリルなので、やろうと思えばいくらでもナナメに穴が開いちゃいます。この後の工程で、ドリルの刃を少しずつ太いものに交換していくのですが、最初の下穴がちゃんと垂直になっていれば、最終的な仕上がりも垂直になります。ハンドドリルのハンドルをしっかりと持ち逆の手もドリルのボディに添えます。できれば何かに肘を固定できるとよいです。筆者は作業台についていた万力に肘を乗せました。刃の先をポンチに合わせて、体を覆いかぶせて反対側から覗き込むような体勢で作業します。その状態で横からもドリルの刃を見ます。両方とも垂直になっていれば理論上ほぼ垂直に穴があけられます。

◆ 練習どおりやってくだい。2mmの刃は折れやすいため、刃の長さによってはボディを貫通できないものもありますが、無理に貫通させようとしないでください。ドリルの基部がボディに当たると大きな傷になります。この後3mmくらいの刃から貫通できる長さの刃を使えば大丈夫です。刃を抜く時には一方の手でボディを押さえ、正転させながらスーッと抜きます。

◆ 4つの穴あけに成功したら、第一の難関は突破しました。続いて刃を交換します。徐々に径の太い刃にして穴を大きくしていくいくのですが、段階が多ければ多いほうがスムーズに安全に作業ができます。0.5mm以下の単位で上げていくのが理想です。弦通し用の細い穴は1mm単位で上げても問題ないと思いますが、後半、ストリングブッシュ用の大きい穴の作業に入ったらいきなり1mm上げるのはちょっと危険です。

◆ 弦通し用の穴に筆者が用いたのは、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mmでした。最終的に4弦だけは4mmで、1弦2弦3弦は3.5mmにしました。後から考えると4弦も3.5mmでよかったようです。自分で使う弦の径をノギスで測って穴の径を決めてください。ボディにあける穴は小さいに越した事はないですが、余り細いと弦の装着時に(特に一回張った弦は糸巻の癖がついて曲がっているので)やりづらいです。かといって弦のボールエンドがすっぽり入っちゃうような大きさでは困ります(もっともボールエンドはストリングブッシュ内でカチッと止まるのですが)

◆ 弦通し用の穴ができたら、ここからが最大の難関、ストリングブッシュ用穴開けです。Guitar Works から買ったブッシュのボディ内に装着される部分の径は9.6mm。長さも同じくらい。したがって、弦通し用の穴の同心円上にボディの裏と表の両面から、直径9.6mm弱、深さ10mmの穴を開ければいい事になります。先述のとおり刃を少~しずつ太いものに交換していくのですが、直径はいいとして深さの調節をどうするか。刃がどれだけボディ内に入ったかが分かりやすくするため、塩ビテープを刃先から(正確には刃先のトンガリ帽子部分が終わったところから)10mmのところに巻きます。このテープのところまでドリリングして止めればちょうど10mmの深さの穴が開けられるという訳です。これを使用する刃全てについてやっておきます。

◆ この工程ではハンドドリルの場合、実際にやってみると、刃がグギャッとボディに食い込んで何度もスタックします。市販の刃はギター改造のようなきめ細かい作業を前提としておらず、とにかく速く効率的に穴をガンガン開けるのが目的なので、すこしずつ深く開けていくのは難しいようです。食い込んだら、焦らずにボディを押さえて刃を逆転させ刃を抜きます。(太い径の刃のスタック時には正転させながら抜くのは無理です)抜いたら再び正転させてトライ。すると今度はさっきよりスムーズに進み、またグギャッとなったら、逆転して抜く。これを焦らず何度かにわけでやればナントカなるはずです。ちょっとしたコツとして、刃を逆転のまま押し付ける事で作業がやりやすくなる時もありました。

◆ 筆者は、9mmまで径を広げました。そうしておいてブッシュを入れてみると随分硬くて、手で強く押しても全く入らず、とても打ち込めるようでもなかったので、ちょっと怖かったのですが、9.5mm径の刃を使用しました。結果的にはこれがちょうど良かったようです。刃の径についてはすごく微妙なので、ノギスできちんと測って決定してください。ブッシュ用穴を大きくしすぎるとスカスカになってブッシュが打ち込めなくなります。最終的には9.5mmの刃を回転させながらで何度か穴に入れ出しして、ブッシュを指で押して挿入してみて、これを繰り返し、装着部分の約半分が入るところで止めました。

◆ ボディの裏からも同じ作業をする事になります。そのままひっくり返すとブリッジが落っこちますので、ブリッジはネジで元の位置に仮止めすると良いでしょう。

◆ ここまでくればほぼ完成。あとは穴を掃除してブッシュを打ち込むだけ。ブッシュの打ち込みは木槌が良いです。無ければ木片をあてがって、その上から金槌で叩きます。

◆ 裏通しして弦を張ってひいてみた感想。やはりかなりテンションが上がりました。好みにもよりますが、弦がまとわり付く感じが無くなって、ピック弾きの人には断然弾きやすくなっています。音が随分ズデーンとして金属的になっている気がします。裏通しした弦がどうしてもブリッジに当たるのですがその辺の影響かも。弦高を高めにセットすれば1、2、3弦では16分音符が楽に弾けます。ただ、4弦はまだ筆者の理想のテンションには届いていません。Roto Sound は他の会社の同ゲージのものに比べてテンションが弱いから、これ以上は望めないのでしょう。しかし、全体としては結果に大満足です。

ネームプレート交換

◆ オリジナルの白のネームプレートを黒と交換したい。でも、調べたらネームプレートは代理店経由の破損時交換以外では入手不可。こうなったら1から自分で作るデス。

◆ 注意:米国リッケンバッカー社のポリシーでは、ネームプレートは偽造・コピーモデルを防ぐために破損交換以外の提供は一切していません。したがって他のパーツと異なり、ネームプレートを作る行為にはリッケンバッカーのブランドを傷つけないためユーザとしての細心の配慮が必要です。具体的な注意点は、リッケンバッカー社の純正品からかけ離れたデザイン・色・形のものは作らない、品質においてリッケンバッカー社の純正品に比して明らかに劣るものは作らない事です。それを肝に銘じて製作にあたりました。以下詳細。

◆ えーと、まずロゴデザインをどうやって再生産するのか、ここがポイントです。小生のとった方法は以下のとおり。ネームプレートをベースから取り外し、フラットトップスキャナにかけてできるだけ細かくスキャンします。(ま、後ほどプリントアウトする事も考えるとプリンタの性能に合わせた解像度で。600~1200dpiでしょうか)

◆ 取り込んだ画像をjpgファイルとして保存しておき、グラフィック用ソフトを起動します。小生はFireWorksユーザなので、これを使いました。

◆ jpg画像を読み込みます。これを下絵として使い、新しいレイヤー上でペンツールを使ってロゴの輪郭をなぞるようにベクター画像を作成していきます。ロゴ全体を一遍にやってしまうのは疲れるので、一文字やっては保存して、という感じ。Rickenbackerの文字全体を貫くあのアンダーライン(?)はあとから作って、最後に全てのパスを合体させます。こんな感じのができました。

◆ この時点では、画像の輪郭をあのツノ型にする必要はありません。後にツノ型に加工したアクリル板を宛てて、切り取る予定だからです。画像が完成したらOHPフィルムを(粉末トナー型)プリンタにセットして印刷します。印刷時のポイントは、画像を左右反転させて印刷する事。粉末トナーの定着した箇所は表面が粉っぽいので見た目安っちくなります。ところが裏返してみると裏はツルツルで美しい。だから画像を反転させておいて裏側を表として使います。(これ以降こっち側(非印刷面)を「表」、印刷した方を「裏」と表記します。)

◆ さて、一応OHPフィルムへの印刷はできました。地が黒、文字部分は透明です。でも、ちょっと光にかざしてみると地の部分がけっこうかすれてるんですね。フィルムに粉をまんべんなく定着できていない。フィルムを白い紙の上に置くと、ほとんど分からないくらいですが、完璧を期しましょう。ホームセンターで黒のアクリル系ペイントを買ってきて裏から塗ります。細めの筆で、文字の部分を避けてギリギリのところまで塗ります。結構神経使いました。

◆ 文字の色はどうするか。フィルムの裏側からアルミ箔でも宛てればシルバーになるかも… やってみました。アルミ箔、薄すぎです。ペコペコのシワシワが見えてしまいます。うーん。ここはボディの色に合わせてクリーム色にするだな。黄色と白のアクリル絵の具を混ぜてちょうどいい色にして裏側から透明になっている文字部分を塗りつぶしました。

◆ さてさて一方、プレート自体を作らねばなりません。プレートは3mmのアクリル板でできています。自分で買ってきて、どこかで糸ノコ盤を借りて作ってもいいんだけど、時間が無いしなあ。ネットで調べたら職場からそんなに遠くないところにO工房っていうアクリル加工専門の業者を見つけた。これはいい。一度訪ねてみるべし。ついでにこの際ひどい出来の木製指置きもアクリルで作ってもらおう。値段が合えばの話…

◆ O工房さんへ行ってきました。かつて東洋のハリウッドと呼ばれた映画産業の地。東宝所有の土地が今はスポーツ施設となった、そのすぐそばにあります。2階の事務所で社長のOさんとデスクに差し向かって、ネームプレートと指置きの作成を依頼。渡したサンプルを定規で測って電卓を叩いて… ハイ。とてもリーズナブルなお値段だったので、お願いする事にしました。自作の木製指置きの厚さは7mmだったのを10mmまで上げてもらう事に。そのほうが指が安定するしね。(10mmは弦高の低い人だと接触の可能性有り。)

◆ O工房さんからできましたとの連絡が来たので受け取りに行きました。一緒に依頼した指置き共々、すばらしい出来です。このプレートで自作のフィルムを下敷きにするわけです。

◆ 前回、裏から着色したフィルムをそのままカットして下に敷いてもよかったんですが、アクリル絵の具の塗装面を直接ボディに密着させる事で塗料がボディ側にくっついて剥がるのが不安。事実オリジナルのプレートでもよくある事のようです(笑)。なので、裏面にもう一枚透明のOHPシートをセメダインで張りました。2枚のシートで塗料がサンドイッチになりました。

◆ 次にアクリルプレートに合わせてフィルムをツノ型にカットするわけですが、ここで要注意なのはプレートとフィルムの位置がずれないように配慮する事。ヘッドに取り付けたときにプレートからフィルムがはみ出してたらかっこ悪いモンね。ずれを最低限に抑えるため、以下の工程を取りました。まず、木の板を用意します。私は以前ホームセンターで買っていた桐板を使いました。この板にフィルムを乗せ、4隅を画鋲で固定します。次にアクリルプレートの裏側の、何箇所かに両面テープを小さく切って貼り付け、フィルムの上からロゴが中心になる位置に貼り付けます。次に火のついた線香でフーフーと息を吹きかけながら、プレートのネジ穴を通してフィルムにもネジ穴を開けます(プラモデル世代には懐かしい行為です)。次に、オリジナルのネジで、実際にネームプレートを板にネジ留めてしまいます。こうしておいてプレートに沿ってクラフトカッターでフィルムをカットする事で、ずれが最小限になりました。左はオリジナルのネームプレート(白)とO工房プラス自作によるネームプレート(黒)です。

◆ で、作ったネームプレートを実際にヘッドに取り付けてみました。うーん… なんか、イマイチ。写真だとよく分からないのですが、一体感がないっちゅうか。ま、ロゴを印刷したシートを下に敷いてるだけだから仕方が無いのかなあ。やっぱりロゴはアクリル板に直に印刷したいです。なんとかプリントできる方法は無いのか。プリント、プリント… あっ! ウチの倉庫にプリントゴッコが眠ってます。アレってアクリルにもうまく印刷できるのかなあ? 今度、イチかバチか試してみるか。

◆ 試してみました、プリントゴッコ。写真だととてもうまくできているように見えますが、実物はちょっとかすれ気味です。やはりアクリルに白インクだとノリが悪く、どうしても透けた感じです。あとは裏側から黒ペイントスプレーで塗るつもりです。

ナット交換

◆ 弦の断面は丸い。だから当然ナットの溝もカーブを描いている。と、お思いのアナタ。そうとも限りませんぞ。写真は、Chris Squire Limited Editionについてきたナットです。溝がV字型です。あっはははは。どんな工具で作ってんだ? 63年当時はその工具で作ってたのか知らんけど、何もそこまで忠実に再現しないで欲しい(涙)。

◆ てなわけで、ナットの交換です。代理店である新星堂に純正部品があるというのでネットで買いました。黒のベークライト製です。溝は… 丸いです(ホッ)。幅もオリジナルと同じ、厚さもオリジナルと同じ約5mmなのでそのまま使えそうです。

◆ と、思ったのもつかの間、弦を溝に当ててみたら、4弦は余裕で入ったのに、他の3つの弦は溝の幅が細すぎてに入らない(汗)。RotoSoundの一番スタンダードなゲージが入らないとは、一体どんなゲージを想定して溝を切っているのか? まあ、あらゆる弦に削って対応できるように予めきつめに作ってあるんだろう。

◆ で、ナットの溝を削りました。ホームセンターで入手した極小ヤスリセットを使いました。削りすぎるとOUTなので、楽器からはずした弦をマメに溝に当てて確認しながら調整します。弦を溝に当てるときは片方の手で弦をグイッと曲げて持ち、弧を描いた弦にもう片方の手で持ったナットを持って溝に入れ、光に透かして弦と溝の間に隙間が無いか確認しながら進めます。あとちょっとで隙間が無くなるところまでできたら、最後は「弦で溝をしごくようにして」仕上げ。これで隙間がなくなってピッタリ。あと、送られてきたベークライト製ナットは、最低限の加工しかされてないため、角が全く面取りしてなくて、あちこち痛い(笑)。これも極小ヤスリでチョコチョコと面取りしてやりました。後はナット全体の高さの調整です。

ブリッジミュートパッド改造

◆ ずーと、謎だったんです。ブリッジについているミュートシステムを使うと(文字通りミュートされて)ほとんど音が死んでしまって、演奏上使い物にならないってのが。

◆ 先日RICKMANIAさんのウェブページで、長年の疑問が解決しました。さっそく改造開始です。ブリッジを分解して裏側からミュート板を取り外します。左の写真の左の方に見えているのがミュート板です。ミュートパッドはこのミュート版に両面テープで貼り付けられています。(楽器製作後数年経ったものは、経年変化でたいていの場合、テープが剥がれて浮いてます。笑) このパッドは幅、長さともキチキチのサイズに作られているため、ブリッジに引っかかってしまい、調節ネジを回しても全体が上がってこなかったり、下がらなかったりします(笑)。さすがリッケンです。まず、幅が大きすぎたようなので、両端を少しカットしました。その後、RICKMANIAさんのアドバイスに従って、パッド全体をタテに2つにカット。そのうち片方について、小型ハサミ(スイスアーミーナイフについてたヤツ)を使って、現に当たる方の両エッジをチョキチョキと面取りしました。(右写真右側)

◆ 完成したら、ポールマッカートニー『心のラブソング』を弾いてみたい。あの音がどうにかして出したい。もっともあれはフラットワウンド弦でないと出ない音なのかもしれない。

◆ 写真はカットしたパッドをミュートプレートに、両面テープで取り付けたところです。両面テープはニチバンのナイスタック「スポンジ両面テープ」を使いました。これだと経年変化に強く、頑強にくっついてちょっとやそっとじゃ取れません。

◆ で、テールピースを組み立てて、さっそく試してみました。その結果、今度は4弦のミュートのかかりがちょっとあまくなりました。まあ、いいや。

◆ と、思ったのですが、どうにも納得が行かないので、再び分解。4弦の下にあたる部分にのみスポンジ両面テープをさらに2枚重ねて高さを上げました。これで1弦~4弦、ほぼ均一にミュートがかかるようになりました。メデタシメデタシ。

ピックガード交換

◆ Chris Squire Limited Edition のピックガードは(たぶん他のシグニチャーモデルもそうだと思うんですが)白アクリルではなく透明アクリルを裏から白く塗ったものです。なんでそんなめんどくさい事してるかというと、結局「サイン部分を印刷で済ませる」ためです。白アクリルの上から印刷したのではこすれて消えてしまう可能性が高い。だからといって彫るのは大変。だから、透明アクリルに裏からサインを印刷してあとは白く塗りつぶせばよい。そういうことでしょう。たしかゴールドのピックガードも透明を裏から金色の塗料で吹き付けてあるんじゃないんですかね。

◆ ところでCSモデルは例のクリーム色なので、白いピックガードだとイマイチ映えない。ここはいっちょ黒にしたい。クリススクワイヤのサインは? 要りません。(クリス、すまん…) 当然、このモデルにぴったり合う黒のピックガードは売ってません。自作か… と思ってネットで探すうちにアメリカオハイオ州コロンバスに Pickguardian ていうカスタムピックガードを作ってくれる会社があるのを発見。リッケンもあるらしいので調べたら、4001の復刻版にはリンクがない。諦めきれずにメールで問い合わせをしたらすぐに返事が来た。

I have found 2 versions of Chris Squire 4001's which are different than my standard 4001 guards. It would be best if you sent a tracing of your guard.

◆ 何ー!! CSモデルにも2種類あるとは… さすがリッケンです。どこまでマニア魂に火をつける会社なんだ。そんで即こんな返事ができる Pickguardianも中々のプロフェッショナルと見た。これなら確かな仕事をしてくれそう。よし。型紙を送ればいいんだな。ウチに帰ってさっそく分解開始。メガネ用のマイナスドライバでコントロールノブをはずし、ギターメンテ用の6角レンチでナットをはずします。トグルスイッチの止め具は… 手で回したら取れました(笑)。あとは通常のプラスドライバで全ネジを取り外すとピックガードが取れます。コントロール部分がむき出しになりました。キャビティの中の塗装は一部分バリバリに浮いて剥がれてました(涙)。トグルスイッチの基部部品が粉を吹いたように腐食気味でした(涙)。そういや切り替えの時に雑音出るようねえ。フロントPUのボリュームも雑音出るし。スイッチやポットに接点潤滑剤吹きつけようか。いや、ヘタな事は辞めといた方がいいのかもしれない。だれか経験者、教えてくんないかな。

◆ 取り外したピックガードをA3用紙に押し当てて、周りとネジ穴をボールペンで型取りして、Pickguardian に送りました。黒のプレキシグラス製でお願いしました。支払いはPaypalで。お値段は日本円にして8,000円弱です。結構リーズナブルじゃないでしょうか。

◆ 先日ピックガードが届いたのでさっそく組み立ててみました。ボディのクリーム色とのコントラストがくっきりしてボディとピックガードの曲線美が強調されました。イメージ的にはちょっと清純派から大人っぽさが出たといったところです。

コントロールノブ交換

◆ ピックガードを白から黒に交換するので、オリジナルのビンテージノブ(ブラックトップノブ)では 黒-黒 になってしまい、コントラスト的にイマイチだね。スタンダードノブ(メタルトップノブ)に交換しよう。

◆ 新星堂に問い合わせたら、ベース用の4ヶセットは品切れで、ギター用の5ヶセットならあるという。いいよ、どっちでも。写真上がもともと付いていたビンテージノブ(ブラックトップノブ)、下が購入したスタンダードノブ(メタルトップノブ)です。取り付けた画像は上の「ピックガード交換」をご覧ください。ブラックトップにくらべて、メカっぽさが出ましたね。

フラットワウンド弦への交換

◆ リッケンに初めてフラットワウンド弦を張ってみました。今まで RotoSound のラウンドワウンドを張っていたので、同社の フラットワウンドを探したのですが品切れでした。なので、 D'Addario 社の Chromes Flat Wound シリーズの 45-100 ゲージを張ってみました。

◆ 弾いてみた感想は… ちがう。やっぱり音も弾き心地もラウンドワウンドとは全然違います。以下は指引きの場合ですが、まずアタックに関して言うと、ピッキングノイズが出にくく、ガーン、デーン、シャリーンてな響きはありません(トーンでトレブルを揚げるとそれなりに出ます) 、ドンドン、ブンブンといった感じ。強く引くとナチュラルディストーション気味のちょっとひずんだブォンブォンという音圧系サウンド(特に4弦)になります。サステインについて、フラットワウンドはラウンドワウンドほどない(早く減衰する)と言われますが、実際はちょっと違う気がします。サステインはちゃんとそれなりにあります。ただ、強いピッキングによって前述のように音圧の高いアタック音が強力にでるので、そのアタック時とその後のサステイン音の差が大きいと言った方が正確でしょう。フィンガリングでは、スライドが素晴らしくやりやすくなります。すべりまくりやがります。ラウンドワウンドで半音のスライドトリルをかけるとすぐに音が死んじゃいますが、フラットワウンドではトレトレトレトレ… と延々続けられます。弦の表面が滑らかなので当然弦をこする音も少ないです。

◆ ピック弾きもイケます。もともとピック奏法には「音圧」や低音の「拡がり」が出にくいという難点がありますが、フラットワウンドを張ったリッケンで、弦を若干高めにセットし、フロントピックアップをメインに使えばしっかりとした低音がでます。これにリアピックアップで中高音域のメリハリをプラスする事でバンドの中での「目立ち度」をコントロールできます。

◆ ジャンル的にはやはり70年代以前のサウンドに近いものを目指す人用ですね。パーカッシブなスラッピングやあくまでクリーンで均一な出音が要求されるフュージョン系、ジャコパス風のビョーンとしたサウンドなどには全く不向きです。逆に例えばビートルズやT-REXなんかのヒューマンなサウンドのロックには持ってこいです。また、カーペンターズなどのレトロポップや日本の60-70年代前半の歌謡曲、カントリー、ブルーグラスなどウッドベース的な存在の要求されるバンドにもお薦めです。

◆ ここからは自論ですが、フラットワウンドのほうがより本来の(昔の?)ベースらしい音がすると思います。弦楽器は大きくバイオリン族とリュート族とに分けられますが、バイオリン族が主にフレットレスで弦をこすって音を出すのに対し、後者は弦をピックまたは指でピッキングして音を出します。ピッキングした音は減衰し短い時間で消えてしまうので、バイオリンのように連続して永続した音は出せません。(なので、マンドリンに見られるようにトリル奏法が発達したようです。)例えて言うと、バイオリン族はオルガンや管楽器のように永続的な音が持ち味なのに対し、リュート族は「音程のある打楽器」としてのキャラクタを持っているといえます。

◆ 現代軽音楽におけるベースも、この「音程つき打楽器」としての役割が重要視されてきました。ドラムセットがなくてもベースさえいればビートを出せたのです。ドラムレスバンドって結構ウッドベースがいますよね。私の知る限り、ニューオリンズジャズに始まって、日本の70年代歌謡曲まで、つまりエレクトリックベースが主流となった後も、その役割は変わらなかったのではないかと思います。エレクトリックベースは明らかにウッドベースの代用品としてスタートしましたが、ウッドベースにはない特長、コンパクトで持ち運びやすい、録音しやすい、運指が楽、(フレットつき)音程が正確、が評価され、次第にウッドベースを舞台の袖へと追いやる事になります。しかし、ウッドベースに求められていた音程つき打楽器としての役割はエレキになってもあまり変わっていなかったのではないでしょうか? 初期のエレクトリックベースにはミュートシステムが付されていました。これは電磁石を使ったピックアップシステムによる「不自然なサステイン」が敬遠されていた証左と言っていいと思います。つまりベースの音は早く減衰した方がいいという認識があったと思われます。自宅に高田恭子の1969年のヒット曲『みんな夢の中』のレコードがありますが、サステインが要求されると思われるミディアムスローテンポの曲であるのにも関わらず、明らかにブリッジ組み込みタイプのミュートが使われている音(デン、デ、デンという音)がします。

◆ いつごろからベースの音にサステインが要求されるようになったのか、おそらく日本では1970年代中ごろだと思われるのですが、ハッキリしません。その原因も、またハッキリ分かりません。RotoSoundのサイトによればラウンドワウンドの誕生は1962年。他のサイトによればRotoSoundのラウンドワウンドが日本国内で手に入るようになったのは74年前後と随分隔たりがあります。ただ、サウンドの変化は弦の種類とか、録音技術とか、楽器の特性向上だけの問題ではないと思います。だって60年代に作られたリッケンでもちゃんとサステインのある音が出せるわけですから。明らかに人々のベースの音に対する好みと役割に対する期待が、この時期に変わったのだと思います。

◆ とにかく、私がベースを始めた1980年には既に「よい楽器はサステインがいい」という固定観念がまかり通っていました。確かにしっかりとした材でしっかりとしたブリッジとナット他パーツで作れば楽器のサステインは良くなる傾向にあるのでしょうが、イクオールいい音ではないのではないでしょうか。私自身、ビートルズから音楽に入ったのに、長らくポールのような音を出したいとも思わず、また出せるとも思っていなかったのは、1980頃の世の中のベースに対する音的嗜好が「ビートルズ」のそれとは全く異なっていたという事だと思います。フラットワウンドを張ってみて、そんな事に考え至りました。